そばの歴史

元々日本の蕎麦はそば粉に熱湯を加え練って食べるそばがきから始まったとされますが、いつから蕎麦を食べるようになったのか歴史について調べてみました。

江戸時代ー慈性そばを食す

そばの歴史

画像:『絵本三家栄種』より

江戸初期(1619年 慶長19年)、京都の僧侶であった【尊勝院慈性】が江戸城へ来ることを目的に江戸にやって来たそう。

その際、仲間とされる江戸東光院詮長と近江の薬樹院久運の3名は常明寺でそばを食べたということを、慈性日記に書いたという記載があったことが、そばの始まりだそう。

料理物語ーそば切り方法

その後、1643年(寛永20年)に発行された日本初とされる料理専門書【料理物語】にそば切りの方法について記載があったということで、既に江戸ではそばは身近な食べ物として親しまれてきたということがわかります。

蒸しそば切りが人気

1688年(元禄)になると蒸しそば切りが人気なったそうです。
そば切りは江戸時代に蒸し蕎麦として食していた、つまりそば粉100%で茹でるとボロボロになるため、蒸していたということでしょう。

蒸気で蒸すことで、そばの甘みや香り、そしてもっちりとした食感を味わえるとか。
今では珍しいながらも興味深い食べ方です。

この頃、小説に江戸のおとこたちが昼間からそばを肴に日本酒をいっぱい。蒸し蕎麦を食べていたとも言われています。

せいろそばの由来

この蒸しそばをお客さんに出す際に蒸す器として使っていた蒸籠(せいろう)、ここから今のせいろそばが始まったとそう。江戸からの長い歴史がせいろそばにはあったのです。

元禄時代ーぶっかけそば

元禄時代になると、今まで蕎麦汁を付けて食べるのは面倒だという考えから、そばを掛けて食べるということが始まった、そこから【ぶっかけそば】が始まったとされています。

寛延4年刊の『蕎麦全書』によると、新材木町にあった「信濃屋」の「ぶっかけ」が始まりという記述もあるとか。

冬はかけそば

夏は冷たい汁、冬は温かい汁を掛けて食べるようになったことから、寛政より【かけそば】と呼ばれるようになったそう。しかしながらかけ蕎麦などは品の良い食べ方とは評価されず、一方の冷たいそばなどの従来のそばの食べ方を【もりそば】と呼び区別するようなったとされます。

シンプル食べ物ながら歴史あるそば。
そばの歴史や習慣を知りながら、美味しいそばを食べるのもいいものです。